2023.09.26
電気的過負荷印加による抵抗値変動のメカニズム
厚膜抵抗体は主にRuO2等の導電体成分とガラスからなる絶縁体成分の混合物です。
基本的に導電体成分が多いと低抵抗となり、絶縁体成分が多いと高抵抗となります。(図1)
厚膜抵抗体に電気的に過負荷を加えると、抵抗値は一旦マイナス側に変化した後、プラス側に変化します。(図2)
この過負荷による抵抗値変化は、厚膜抵抗体の導電路構造から、以下のように発生していると考えられています。(図3)
- 過負荷を加えると絶縁体成分の破壊が始まる。
初期段階では絶縁体成分の絶縁破壊により、抵抗値が低下【A→B→C】 - 更に過負荷を加えると導電体成分が破壊され抵抗値が上昇【C→D】
絶縁体成分の破壊が進むと断線に至る。【D→E】
上記の傾向は、定格電力を越える負荷が長時間加わった場合や定格電力の数倍の負荷が短時間加わった場合に顕著に現れ、静電気のような非常に高い電力の負荷が瞬間的に加わった場合、抵抗値上昇に至らない場合があります。
電気的過負荷に対する対策のご提案として、弊社『高電力チップ抵抗器』や『耐サージチップ抵抗器』 のご使用を推奨致します。
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